房
白津山 正法院 〜鎌沢の大仏・丈六延命地蔵菩薩像〜

丈六延命地蔵菩薩

丈六延命地蔵菩薩像

丈六延命地蔵菩薩像

丈六延命地蔵菩薩像

丈六延命地蔵菩薩像

丈六延命地蔵菩薩像

丈六延命地蔵菩薩像



高さ4.82m(一丈六尺)、頭部78㎝。県内では三大大仏の一つに数えられます。木造半伽で、寄木造りで造られています。


由来

白津山正法院大仏尊御案内』(金子綱友著)によれば、ご尊顔の内面に「延享二年(一七四五)十一月、丈六地蔵菩薩 蔵之丞作」と墨書があり、当時、名僧の誉れ高い当院七世悟山忍州大和尚が自費で建立したとあります。堂内の天井には篤志家が寄進した高名な画家江岸の傑作、龍の絵がいっそう威厳に満ちた彩りを添え、雅な文化に縁遠い僻遠の地に存在することが、人びとから神秘不可思議とされていました。

さらに『房住山昔物語』には、白津山正法院開山の由来の記述で、今をさかのぼる八百数十年前、平安期の長承三年(一一三四)南北に連なる白津山中に蝦夷征伐に由緒ある梵字宇山大幢寺に縁がある能助菩薩と唱え信奉する高倉長者の養子が米ヶ沢(現、北秋田市米内沢)におり、この地方一帯を大兄ヶ沢といい、実子は釜ヶ沢(現、北秋田市鎌沢)に住み、この付近一帯を小兄ヶ沢と称したとあります。梵字宇山大幢寺は、五大寺院十六房の大伽藍を有し、山本、北秋田両郡にわたり里寺十か寺もある霊場で、阿仁地方の大施主たちが白津山正法院に丈六延命地蔵菩薩が安座する大仏殿を建立したと伝えられる史実は、後世この地に丈六延命地蔵菩薩、鎌沢の大仏様として広く尊信敬仰される因縁の深いことを物語っています。丈六延命地蔵菩薩のご本体は、はるばる京都からご尊顔だけを背に負いあまりの重さに耐え難くなり、この地に安置したと伝えられています。

元禄、宝永、天明、天保期と続く飢饉に加え、疫病が蔓延して連日のように瀕死者が相次ぐなか、当院の檀信徒たちは大仏殿に籠り、熱心に祈祷すると、大仏様はたちまち玉のような汗を流し、人びとの祈願に応えるかのように、大仏殿にお籠りををした人たちは誰一人として罹病しなかったと言い伝えられ「汗かき地蔵」と呼ばれています。また戦争中、出征前に大仏様にお参りした人たちは無事に戦地から帰ることができたことから「弾丸よけ地蔵」とも呼ばれています。

このように霊験あらたかな大仏様こと丈六延命地蔵菩薩は、一丈六尺あまり、蓮華台座は五尺有余あり、古くから県内外から悪疫退散、長寿福禄、五穀豊穣、家内繁栄、安産育児の守護として尊信され、香華が絶えない敬仰の的になっていました。豊願円満、いっさいの衆生を教化する大慈大悲の相貌は、今日もなお威厳を保ち広く尊信されております。

曹洞宗 白津山 正法院
〒018-4251 秋田県北秋田市鎌沢字家ノ南45
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