房
白津山 正法院 〜鎌沢の大仏・丈六延命地蔵菩薩像〜

冬の大仏殿

北秋・山本の群境の白津山(標高442メートル)の修験行者が、山岳仏教から民間仏教へ移行し、山を下って沢羽立から三里五輪岳に移り、地域住民の要請で現在地に移され、明暦3(1657)年、沖田面の福昌寺4世安室舜泰大和尚を開山に勧請し開創された。藩政による寺院政策から、福昌寺が本寺でもあり僧録所でもある天徳寺からの指示などもあって開創に及んだのであろう。

安永年間(1772-81)と文政元(1818)年に類焼し、昭和52年に新工法を以て改築したのが現在の本堂である。山門右に建った地蔵堂には”鎌沢の大仏”として知られる丈六(4.8メートル)の地蔵菩薩半迦像を安置する。運慶一門の33代蔵之丞了慶が頭部を造り、弟子が躰部を造りあげたのち7世住職悟山忍州となったと伝えられる。別名を弾丸除け(たまよけ)地蔵といわれ、戦時中に出征する男たちの参詣が多かったという。延享2(1745)年の作で、町の文化財指定となっている。

また、本堂の左手前に可憐な地蔵菩薩の石像が祀られている。これは昭和58年5月26日、日本海中部地震の時、男鹿加茂青砂の浜で津波にのまれた合川南小学校の13名の児童は、正法院の檀家の子供たちのため、その供養仏の地蔵さんである。位牌堂の入り口にはいたいけな児童たちの遺影と、亡き我が児を恋うる母親の切々たる歌を掲げている。

秋田魁新報社 「心のふる里 秋田のお寺」平成9年発行より抜粋

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